勉強しているのに、成績がうまく上がらない。
仕事で失敗ばかりして、上司にいつも怒られている。
私はなんてだめな人間なんだと思い知らされることばかりです。
努力が足りないからと、
読書をしたり、自己啓発に励む方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、自分は「できない」人間なんだという気持ちが、その人のパフォーマンスを下げている可能性があります。
思い込み(固定観念)の事を、
心理学的にステレオタイプと呼びます。
ステレオタイプといえば、
あらゆるスポーツで黒人の方が優れている。
男性のほうが女性より数学的思考を持っている。
など様々ですが、
このステレオタイプで人の能力はあがったり、
さがったりすることが実験によって明らかになってきました。
その実験とは、
黒人と白人を対象にしたテストを用いた実験です。
「白人の方が黒人よりも学術的に能力は高い」
という思い込みがテストにどのような影響を及ぼすのが調査したものです。
まず、黒人と白人にテストを受けてもらい、
このテストは能力測定のためではないことを伝えた場合、テストの成績は黒人も白人も大差がない結果がでました。
次に、このテストは能力測定をするために行うことを伝えた場合、黒人の成績は下がり、かえって白人の方が高いという結果がでたとのことです。
スポーツの実験では、
かえって黒人の方が成績がよくなったとのことです。
結論として、
思い込みが本来の能力に無意識に影響してしまっていることを示しています。
これはステレオタイプ脅威と呼ばれるものです。
人は思った以上に、
思い込みや暗示など社会的なバイアスにたいして無意識に影響を受けているようです。
「自分はできない人間なんだ。」
「引っ込み思案だから周りと打ち解けられない。」
というのもステレオタイプ驚異の影響かもしれません。
思い込みを避けて、
自分は努力してきたという信念をもとに
十分な成果を発揮したいと思う今日この頃。